平成大捕物

土曜日のこと

いつものようにPC前にてmp3に耳を傾けていたら
背後にいたカプリが「うぉぁぁぁにゃぁん」と鳴いた

なんかいつもと鳴き方が違うなと思いつつ放置すると
間をおかずにまた「うぉぁぁぁにゃぁあん」と鳴いた

振り返ってカプリを見てみると
ナニやら私の頭上を目で追いつつ鳴いている

なんか変だ？？

そのカプリの目線をたどった時
身の毛のよだつ黒い影が私の視界に入った・・・！

「ぎゃああああああああああああああああああああ」

パンツを引き裂く程の悲鳴をあげた私は
隣の部屋に音速を超える勢いで飛び退った


何事か！？と相棒からの問いかけにも
「ひぃぃいいいいいいいいい」
「ででででででたあああああああ」
と言ってヤツのいる方を指さすしかできなかった


「うおおおおおお！」

相棒の口からも聞いたことの無いような怒声が漏れ出る

そこには少なくとも１５年はお目にかかっていないような
丸々と肥え太った超巨大なＧが！！！！！！！！

慌てふためく私たちをよそ目にカプリは鳴き続け
ソロソロと移動を開始していたＧは･･･あろうことか
いとも簡単にパササッと飛んだのだ！！！！！

「ぎゃああああああああああとんだああああああああああ！！」

飛んだ先は私のＰＣが格納されているワイヤーシェルフの上段で
いつも使っている鞄などが置いてあった・・・

私は相棒に助けを求めるが
何と相棒もこのＧが大の苦手らしく・・・
二人して呆然と「どうしよう・・・」と言ったまま
その場に立ちつくすしかなかった

だがこのまま手をこまねいているわけにもいかない

相棒はナニかないかと対抗できそうなモノを探しに行き
私は即席の武器を手に取った

それはスダレ！
180ｃｍの巻きスダレを手に持ち（重いっ）
そのスダレにワイヤーハンガーを輪ゴムで取り付け
鞄や上着を一つずつ引っかけて
Ｇのいる場所から避難させていった

これは避難させるのと同時に雑多なものの影にいるＧを
視認しやすいようにさせるにはいい道具になった


「これくらいしかなかった・・・」
そう言いながら戻ってきた相棒の手に握られていたのは
バスマジックリンとガラスクルー･･･
ちょｗｗｗｗ無理スｗｗｗｗｗ

威嚇を続けるネコ！
姿をなかなか現さないＧ！
役立たずの二人！

膠着状態が３０分経過した時に相棒が言った
「よし、シューッ（ゴキジェット等）買ってこよう」

「えーっ！！私をこの部屋に置いていくのぉぉぉ！？」

「大丈夫やって、しばらくヤツも動いてないし」

「で・・・でも！！」

「すぐ帰ってくるから」

なんてやりとりをしていた時ヤツが動いた！！

「やばい！あんたのＰＣのほういってまう！！」
相棒のＰＣを収納しているワイヤーシェルフには
私の荷物と比較にならない程の雑多なモノが溢れている
あそこに逃げ込まれたら最後！
私は巻きスダレを手に進行方向を塞ぎ
ヤツの移動を阻止することに成功！
だがヤツはまたもや私のワイヤーシェルフ上段へ逃げ込んでしまった

その後も「シューッ」を買いに行こうという話が出る度に
まさにそれを妨害するかのようにＧは移動を開始したため
私たちはなかなか判断を下せなかった

そして更に２０分程経過した時
やはりこれは「シューッ」なくしては解決を見ないとの結論に達し
検討の末　相棒に買いに行ってもらうことにした

最後の最後まで私が買いに行こうと思っていたのだが
私が家でＧと共存する恐怖よりも
相棒が家に残ってＧを見失ってしまうんじゃないかという不安の方が
勝ったのだｗ

そして相棒は千円札２枚を握りしめ
脱兎の如く「シューッ」を買いに走り去った

だが

ヤツはまるで私が一人になるのを待っていたかのように
今までの方向とは真逆の私の方に向かって
壁伝いに一歩　また一歩と近づいてきたのであった！

やばい！視界から消えたら最後だ！
今なら届くかもしれない！

私は右手に持ったガラスクルーを噴射した！！

ぷしゅぅ～～・・・・

ガラスクルーは虚しい曲線を描いてＧには届くことなく
下で威嚇を続けているカプリの頭上に降り注いだ(`)

もうだめだ・・・という諦めが私の心を支配しそうになる
折れそうな心に渇を入れ　私は再びヤツと対峙すべく
巻きスダレを構えながらヤツと同じ部屋へ一歩足を踏み入れた！

ヤツはなおも進軍し続けている
巻きスダレだけでは不安な私は
右手にガラスクルーを構え
左脇に巻きスダレを抱えながら　
手には相棒のクッションを盾代わりにかざしていた

頼む・・・相棒よ・・・・・早く・・・早く帰ってきて！！！！！

１分が１０分にも感じられる・・・ツライorz

少しでも隠れやすい場所へ移動しようとするＧを巻きスダレで威嚇し
極力退治しやすい場所へとキープ
巻きスダレの重みが私の左腕へとのしかかり　ぷるぷると震えだしていたが
何が何でも負けるわけにはいかんのだよ！

その時
玄関でガチャガチャッと鍵を開ける相棒の気配が！

「パッケージを開けてシューッを構えて！ヤツは場所を移動しているから
すぐに入ってこないで！！」

慌てて袋からシューッを出しノズルをセットし終えた相棒に
ヤツの位置を教え　噴射するように言おうと思ったら
噴射経路上（テレビの上）にＧを見張るカプリの姿が！

急いでカプリをテレビからスダレでたたき落とし
台所へ避難させる

今だ！！！

シューーーーーーーーーー！！

超強力なジェット噴射がＧを襲う！

が

パササササッ

「ぎゃああああああああああああああああああああ」

最後の力を振り絞ってヤツは飛んだ！

相棒の足下めがけて・・・ｗｗｗｗｗ


だが相棒はジェット噴射から手を離しはしなかった！
踊るように逃げながらも　ヤツへ目がけて噴射し続けた

ヨロヨロとよろけながら意外とあっけなく
超巨大Ｇはその生涯を終えた


私は安堵した途端腰を抜かし　左腕は筋肉痛で上に上がらず
相棒は緊張と急激に振り向いたため　首を負傷


こうして１時間半にも及ぶ私たちの行き詰まる戦いは幕を閉じたのであった


【おまけ】

Ｇの存在を教えてくれたカプリにご褒美をあげようと
人生初の猫缶を与える

だがニオイは嗅ぎにくるもののカプリの口には一口も入ることはなく
全てをてん・ちゃむに食われる

おまいらなんにもせんかったくせにいいいいいいいいいい！